■海外金相場
9月の金相場は949.75ドルでスタートした後、米株式市場が急落する中で安全資産とされている米長期国債などの利回りが低下。金相場も質への逃避に絡む買いが入り、堅調な推移となりました。この流れは3日に発表される米雇用統計を前に強まりを見せて、急騰する展開となるとその後は投機筋の損失確定の買いなども巻き込んで上昇し、一気に990ドル近辺へ上昇しました。しかし、990ドル台では1000ドルを意識した高値警戒感が強く、加えて本邦を含むアジア圏からは現物投資筋の売りが多く見られたことから、上値を抑えられることとなりました。
しかし、その後は中国株式の上昇などがきっかけとなり各国株式市場が持ち直し、また米貿易赤字の拡大などを受けてドルへの不信感は根強い中で、対主要国・資源国通貨などでドルが急速に売られる展開となると、金相場にも同様の資金が流れ込む展開となり8日には1000ドルの大台を超えることとなりました。その後は為替市場の動きをにらみつつの展開となりましたが、ドル売りの流れは止まらず金相場も追随して上昇。加えて16日に発表された米消費者物価指数が市場予想を上回り現在の金融環境における金あまりが意識されたことが上昇を後押ししました。17日には月間最高値となる1020.50ドルを付けました。
この間、工業需要は高値を嫌気して低調となる中で、先物市場における投機筋のロングポジションは過去最高水準まで上昇し、また金ETFの残高も増加傾向となり全体では1275トンと過去最高を記録しました。これらの状況から今回の上昇は投機筋の買いが先導したものであったといえます。その後は24日ごろまではドルユーロの動向などを意識した投機筋の思惑売買が中心となり、1000ドル-1020ドルのレンジでの往来相場を形成しましたが、月末にかけては9 月決算に絡んでのポジション調整の動きなどもあり、ドルが徐々に買い戻される展開となり、24日に米中古住宅販売件数の予想を下回る結果をきっかけとしてその流れに拍車がかかると、金相場も投機筋の手じまい売りがでることとなり、1000ドルを割り込む水準まで下落しました。しかし、一度1000ドル越えを確認したことを受けて、それを下回る水準ではそれまで買いそびれていた工業需要などが買いを入れたことから、985ドル近辺でサポートされると、下値を確認した安心感などから再び買い戻されることとなり1000ドルを挟む水準まで値を戻し995.75ドルにて越月しました。
■国内金相場
2,875円でスタートした国内円建て相場は、初旬にドル建て相場が急騰する動きにあわせて上昇し、8日には月間最高値となる3,009円をつけました。その後もドル建て相場は堅調に推移しましたが、為替相場で円高が急速に進んだことで相殺され、2,900円台後半でのレンジ相場を形成。ドル建て相場が 1,000ドルを超え、円建て相場も再び3,000円を試す場面も見られましたが、本邦財務相の発言を背景としたさらなる円高に勢いをそがれ、2,913 円にて越月しました。
(田中貴金属工業)











