■海外金相場
1,660ドルでスタートした10月の金相場は、月初にギリシャ政府が2011年の財政赤字目標を達成できない見通しとの発表をしたことから、同国のデフォルト懸念や欧州の財政不安が再燃し逃避資金の流に4日には1,672ドルに上昇しました。しかし米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が議会証言で景気回復促進のための追加金融緩和の可能性を示唆すると、投資家のリスク回避姿勢がやや後退。これまで資金逃避的に買われていた金相場は軟調な展開となると、投機筋の利益確定の売りも旺盛となり5日には1,600ドルに急落しました。しかし1,600ドル近辺に下落した局面では割安感から安値拾いの買いが見られ下値をサポートされると、7日に発表された9月の米雇用統計で失業率が前月と同じ9.1%と高止まりしたことを受けて雇用環境は引き続き低調との認識から一時1,660ドル近辺に値を戻しました。一方で、同雇用統計では非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を上回る水準であったことで雇用情勢の悪化はひとまず回避されたとの見方も台頭。金相場の上値は限定的となり7日には1,651ドルに下落しました。
月半ばにかけては欧州金融安定化基金(EFSF)の拡充をめぐるスロバキアの動向に注目が集まる中、11日には同国議会によって否決。しかし最終的には再投票で可決の見通しが濃厚となったことでドルに対してユーロが上昇。金相場はユーロの上昇を受けて買われる展開となり12日には1,687ドルに値を戻しました。その後1,700ドルの大台が意識される中、投機筋の利益確定売りが見られ、翌13日には1,656ドルに下落しました。尚、スロバキア議会は欧州金融安定化基金(EFSF)の拡充案を可決しましたが相場への影響は限定的でした。同日に米S&Pがスペイン国債の格付けを引き下げたことからユーロ圏債務懸念が意識されると、安全資産としての買いが高まり17日には1,689ドルに上昇しました。その後米ムーディーズ・インベスターズがフランスの格付け見通しを発表。欧州財政懸念を背景に安全資産の買いも見られる一方で、EFSFをめぐるドイツとフランスの意見対立など債務危機対策への不透明感からドル高・ユーロ安が進行すると、金相場は軟調な展開となり20日には1,620ドルに下落しました。
月後半にはEU首脳会議が行われ、EFSFの強化など債務・金融危機対策の包括的な戦略で大枠合意されると、ユーロが対ドルで上昇。ドル建ての金価格に割安感も台頭し24日には1,652ドルに上昇しました。また25日に発表された10月の米消費者景気信頼感指数が2年7ヶ月ぶりの水準に低下したことなどから景気先行き不安が台頭。加えて米国の追加金融緩和観測が広がったことも安全資産の買いを後押しし逃避資金の流入が加速すると、約1ヶ月ぶりに1,700ドルの大台を突破し28日には月間最高値となる1,741ドルに上昇しました。1,740ドル近辺では投機筋の利益確定の売りが見られたことに加え、31日には日本政府・日銀の円売り介入を受けて、ドルが対円などで上昇。ドルはユーロに対しても上昇するとドルの代替資産としての側面から金は売られる展開となり1,722ドルに下落して越月しました。
■国内金相場
4,075円でスタートした国内円建て相場は、ドル建て金価格が急落した5日には4,074円に下落しました。その後はドル建て金価格が反転したことを受けて、国内円建て価格も堅調な推移を示し13日には4,209円に上昇しました。月半ばにかけてはドル建て金価格が堅調な推移を示した一方で、円高の進行から国内円建て価格は上値の重い展開となると、月後半にドル建て金価格が下落したことを受けて21日には月間最安値となる4,025円に下落しました。月末にかけてはドル建て金価格の上昇に歩調を合わせる形で値を戻し27日に4,267円に上昇すると、31日には円売り介入による円安進行から大幅に上昇し月間最高値となる4,385円に上昇して越月しました。
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