金の投資環境は明るい

金相場の見通しを最も的確に予想してきたアナリストらは、9月に月間ベースでは2008年以降で最大の下げを示した金相場が回復し、来年3月までに過去最高値を更新するとみている。経済成長が停滞していることに加え、欧州の債務危機が解決されていないためだ。

オーストリアのエルステ・グループ・バンクのロナルド・ストーフェルレ氏は「金融システム全体の信頼感が失われており、安全性が高いとみられる投資先に早急に逃避する必要がある」と指摘。「環境は金にとって完璧だ」と述べた。

金を購入しているのは、投資家だけではない。国際通貨基金(IMF)によると、タイやボリビア、カザフスタン、タジキスタンなどの国々は9月、金の準備高を増やしている。スイス国立銀行(中央銀行)は10月31日、金保有が外貨準備高の損失を弱める助けとなり、1~9月で黒字に転換したと発表した。

伊銀行ユニクレジットのアナリスト、ヨッヘン・ヒッツフェルト氏(ミュンヘン在勤)は、「今後数年、金は非常に大きな可能性を持っている」とし「中銀の購入に促進されて、投資家は金を買い付けている。価格は少し急速に上がり過ぎたが、下落は小休止にすぎない」と分析する。

金のオプショントレーダーも8月以来、最も強気の姿勢だ。ブルームバーグのデータによると、金価格に連動する上場投資信託(ETF)「SPDRゴールド・トラスト」では、コール(買う権利)がプット(売る権利)を1.5対1の比率で上回り、8月以降で最大。

金ETFは今年24%上昇したのに対し、45カ国・地域の株式で構成されるMSCIオールカントリー・ワールド指数は8.8%の下落となっている。

鉱業専門の投資会社ASA(南アフリカ)のデビッド・クリステンセン最高経営責任者(CEO)は「欧州の多くの問題が、可能な解決策より早いスピードで拡大している」と指摘。「こうした状況が、セーフヘイブン(安全な逃避先)としての金の地位をさらに強めている。機関投資家や中銀はみな、自分たちのポートフォリオに金を加えている」との見方を示した。

(ブルームバーグ)

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