このところ金価格が弱含みで推移している。
欧州債務懸念が浮上した夏場には「安全資産」として金が買われたが、最近は「金」殻も資金が流出している。
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今年に入って上昇基調が続いていた金価格が下落している。米国の金先物市場は今週に入ってやや持ち直したものの、先週15日には約2カ月半ぶりの安値を記録。東京工業品取引所の金先物も、1カ月半ぶりの安値圏にある。欧州債務危機の深刻化で投資家が慎重になり、価格変動リスクの大きい金や原油といった商品先物から資金を引き揚げている面もあるようだ。危機が深まるなか「安全資産」とされる金からも資金が逃げ始めている。【井出晋平】
ニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物相場は15日、1オンス=1577・2ドルで取引を終えた。2カ月半ぶりの低水準で、9月6日に一時付けた史上最高値(1オンス=1923・7ドル)と比べると、18%も値下がりした。
東京工業品取引所の金先物市場も、15日に一時1グラム=3931円を付けた。10月24日以来、約1カ月半ぶりの4000円割れで、9月7日の取引時間中につけた1グラム=4754円からは17%の下落。今週に入って4000円台は回復したものの「価格は一進一退で底打ち感はない」(アナリスト)。
安全資産ともてはやされたうえ、新興国の実需なども背景に高騰してきた金相場は、欧州債務危機がイタリアなどに波及した秋以降、価格が不安定になっている。欧州各国の足並みの乱れで危機対策がもたつくなか、世界的に株安が進み「投資自体から手を引いてひとまず金を現金化する投資家が増えている」(相場関係者)ためとみられる。
外国為替市場で対ユーロでドル高が進行していることも、価格下落に拍車をかける要因となっている。ドル高になるとドル建て商品の割高感が強まることから、金だけでなく原油、銅などのドル建て商品価格も軟調になっている。野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「金は相場商品の一つ。最近の値下がりは金を売ってでも手元に当座の現金を確保しておきたいという投資家心理が働いているようだ」と指摘。「欧州債務危機に解決の道筋が見えず、米国で追加の金融緩和も期待できない状況では、金価格が再び急騰することは考えにくい」と話している。
毎日新聞 2011年12月24日 東京朝刊
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