「サブプライムに勝ったファンド」として日本でも有名になったヘッジファンド「ポールソン・アンド・カンパニー」。金ETFを大量に保有しているファンドとしても有名だ。
その「ポールソン・アンド・カンパニー」が7-9月に30トン分の金ETFを売却していることが11月15日提出の書類でわかった。これに慌てた投資家が金売りに走り、NY金先物は一時1668ドルまで下落した。
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今週11月15日は今年9月末時点での13F提出期限。そこで、ポールソン・アンド・カンパニーは金ETF保有残高を2030万口と報告書に記載していたことが判明。6月末に比し36%の減少。約30トンを7~9月の間に売却していたのだ。
7~9月期といえば金価格が1500ドルから1900ドル台の史上最高値にまで急騰後、一時は1500ドル台にまで急落という激動期。果たして、彼が、急騰局面で売ったのか、急落局面で売ったのかまでは分からない。
しかし、今年のポールソンは株式のポジションが激しく毀損しており、以前から、金の益出し売りで株の損失を埋め合わせるのではないかとの観測は根強かった。バンク・オブ・アメリカ株や中国株でやられ、今年のリターンはマイナス40%以上という惨状だ。そこで顧客の解約請求も急増するなかで、現金化のための金売りに出たのだろう。
正面きっての強行突破の売りだ。急落して1600ドル程度で売ったにしても、買いコストが900ドルだから楽勝である。マーケットの反応は、短期的には既に終わったことでもあり、プロの間では想定内のことゆえ大きな反応はない。
しかし、何せアイコン(偶像)的ファンドなので、その心理的影響が投資家に与える影響はジワリ効くだろう。
市場の関心は、残量(約60トン)をいつ売るかということ。価格上昇局面で徐々に売り抜けるとすれば、価格の頭は当面重くなる。しかし、通年で見れば、60トン程度であれば、今年に入って、外貨準備で買われている金だけでも500トンに達すると予測されるので、市場は十分に吸収できる。
買いの本尊がヘッジファンドのような浮動株主から、国や年金基金、新興国のような長期保有の安定株主に入れ替わることで、長期的には買い手の構成が堅固なものになってゆくだろう。
(日本経済新聞)
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